繋ぐバトン

1988年の開業以来28年に渡り奥志賀の地でオードヴィーという名の小さな宿を育んで参りました。過ぎてきた長い時間を通じ、本当にたくさんのお客様にご利用頂き、数多くのリピーターの方々に恵まれました。

志賀高原の自然の雄大さ、四季折々の美しさを肌で感じ、それを一人でも多くのお客様にお伝えするべく、日常業務の他にネットの技術をイロハから学び、近年ではホームページやブログの他、SNSなども使って拙い写真を送り続け、その分野でも過分なる評価を頂戴しました。

苦楽を共にしたエリアの仲間たち、競い合い励まし合って厳しい時代を生き抜いた同業者の皆さん、友人知人の温かいサポートもあって、懸命に走り続けた歳月でしたが、ここで自分なりにひとつの区切りをつけようと思います。

私はこの山を下り、オードヴィーはこの夏より荻野公男氏(写真右)に託すことにいたしました。

28年の長きにわたり勤めさせていただくことができましたのも、ひとえに皆様方のご厚誼とご指導の賜物と只々感謝の気持ちで一杯でございます。

心から厚く御礼申し上げます。また、諸般の事情により正式な発表が遅れましたこと、お詫び申し上げます。荻野氏への業務引き継ぎや事務的な残務処理もあり、もう暫くはここに留まりますが、皆様の心温まるご支援に感謝しつつ、私の当地での締め括りを進めたいと思っております。

今日に至るまでの経緯、思うところはいろいろとあるのですが、何よりオードヴィーの看板を守ってくれる後継者が現れてくれたことは私にとって幸いでした。荻野氏とそのご家族は私が培ってきたこれまでの歴史、オードヴィーと奥志賀に対するスタンスをとても良く理解して下さり、この路線を情熱を持って継承してくれる方々です。オードヴィーの歴史はこれからも続きます。どうか今までの唐沢オードヴィーと同様に荻野氏が造る新たなるオードヴィーを宜しくお願い致します。